「気になる土地があるけど、ハザードマップってどうやって見ればいいの?」
「洪水リスクとか地震リスクって、どれくらい気にするべき?」
土地選びで最近非常に重要視されているのが「ハザードマップ」の確認です。
近年の気候変動により、水害リスクが全国で高まっています。 2019年の台風19号、2018年の西日本豪雨など、「まさかここが浸水するとは」という場所が被害を受けた事例が続いています。
「家を買う前にちゃんと確認しておけばよかった」という後悔は、絶対にしたくないですよね。
この記事では、ハザードマップの種類・見方・土地選びへの活用法をわかりやすく解説します。
ハザードマップとは?
ハザードマップとは、自然災害(洪水・土砂崩れ・地震・津波など)のリスクが高い地域を地図上に示したものです。
国土交通省や各市区町村が作成・公開しており、誰でも無料で確認できます。
主なハザードマップの種類
| 種類 | 確認できるリスク |
|---|---|
| 洪水ハザードマップ | 河川氾濫による浸水リスク・浸水深 |
| 内水ハザードマップ | 下水道処理能力を超えた雨水による浸水リスク |
| 土砂災害ハザードマップ | 土砂崩れ・土石流・地滑りのリスク |
| 津波ハザードマップ | 海岸からの津波浸水リスク |
| 地震ハザードマップ | 地震動の強さ・液状化リスク |
これらを組み合わせて確認することで、土地の総合的なリスクを把握できます。
ハザードマップの見方:ステップ別解説
Step 1:国土交通省「ハザードマップポータルサイト」にアクセス
「ハザードマップポータルサイト」(国土交通省)で検索してアクセスします。
このサイトでは、全国どこでも住所を入力するだけでハザードマップが確認できます。
「重ねるハザードマップ」機能を使うと、複数のリスクを一度に重ね合わせて確認できます。
Step 2:「重ねるハザードマップ」で複数のリスクを確認する
ポータルサイトの「重ねるハザードマップ」を選択し、確認したい住所を入力します。
左側のメニューから以下を順番に確認しましょう。
- 洪水(浸水深の表示)
- 土砂災害(警戒区域・特別警戒区域)
- 地震(液状化危険度)
- 津波(海岸沿いの土地の場合)
Step 3:色分けの意味を読み取る
洪水ハザードマップの色分けの目安です。
| 色 | 浸水深の目安 |
|---|---|
| 薄い黄色 | 0.5m未満(床上浸水の可能性がある) |
| 薄い橙 | 0.5〜3m未満(1〜2階まで浸水する可能性) |
| 濃い橙〜赤 | 3〜5m未満(2階まで浸水の可能性) |
| 濃い赤・紫 | 5m以上(生命の危険が高い) |
「色がついていない = 安全」ではなく、「ハザードマップに表示されていない浸水」も起こりうることを覚えておきましょう。
各ハザードマップの見方と注意点
① 洪水ハザードマップ
河川が氾濫した場合の浸水深を示します。
確認ポイント
- 色の濃さ(浸水深の大小)
- 「浸水継続時間」も確認できる場合は時間も確認する
- 近くに一級河川・二級河川があるかどうかを把握する
注意点
- 洪水ハザードマップは「河川の氾濫」を想定。大雨による内水氾濫(下水道からあふれる水)は別のマップで確認が必要
とまと君「浸水深5m以上ってもう家が水没するレベルじゃないの……😨」 とま子ちゃん「最大規模の想定(数百年に一度の大雨)の場合だから、毎年起こることではないけど「起きたらどうなるか」を知っておくことが大事。家の1階に大切なものを置かない工夫や、ガレージの設計を変えるだけでも備えになるよ。」
② 土砂災害ハザードマップ
山の斜面・谷沿い・傾斜地の近くに住む場合は特に重要なマップです。
確認ポイント
- 土砂災害警戒区域(イエローゾーン):土砂災害が発生した場合に住民に危害が生じるおそれがある区域
- 土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン):急傾斜地の崩壊などが発生した場合に建築物に損害が生じるおそれがある区域
レッドゾーンは特に注意が必要です。 特別警戒区域内では、建築物の構造規制・開発行為の制限があります。
③ 地震ハザードマップ(液状化リスク)
地震時に地盤が液状化するリスクを示すマップです。
液状化とは、地震の揺れによって地盤が砂状になり、建物が傾いたり沈んだりする現象です。
リスクが高い地形
- 埋め立て地
- 旧河道・旧池沼
- 砂丘地・砂礫地
液状化リスクが高い地域では、地盤改良の必要性が上がります。
ハザードマップを土地選びに活用する方法
ハザードマップで確認した情報を、土地選びにどう活かすか整理します。
① リスクを「判断材料のひとつ」として使う
ハザードマップにリスクが表示されていても、「必ず住んではいけない場所」ということではありません。
「リスクを知ったうえでどう備えるか」が重要です。
- 浸水リスクがある場合:1階に重要なものを置かない設計にする。排水機能を強化する
- 液状化リスクがある場合:地盤改良を行い、べた基礎など適切な基礎設計にする
- 土砂災害リスクがある場合:警戒区域の指定状況を確認し、必要に応じて別の土地を選ぶ
② ハザードマップをハウスメーカー・工務店と共有する
気になる土地のハザードマップを印刷またはスクリーンショットして、ハウスメーカー・工務店の担当者と共有しましょう。
「この土地のリスクに対して、建物側でどんな対策ができますか?」という会話につなげることが大切です。
③ 不動産取引では「説明義務」がある
2020年より、不動産の売買・賃貸の際に「水害ハザードマップ上の位置の説明」が宅建業者に義務付けられました。
つまり、不動産会社は購入者にハザードマップの情報を説明する義務があります。 説明を受けていない場合は、必ず「ハザードマップを見せてください」と要求しましょう。
ハザードマップで「安全」と出ても気を抜かない
ハザードマップに色がついていない地域でも、以下の点には注意が必要です。
- ハザードマップは「想定される」リスクを示したものであり、記載外のリスクがゼロではない
- 気候変動により、過去のデータを超える豪雨・水害が近年多発している
- ハザードマップは定期的に更新されるため、「最新版」を確認することが重要
「ハザードマップに色がついていないから絶対大丈夫」という過信は禁物です。
まとめ:土地を買う前にハザードマップは必ず確認する
ハザードマップ活用のまとめです。
- 確認場所:国土交通省「ハザードマップポータルサイト」(無料)
- 確認すべき種類:洪水・内水・土砂災害・地震(液状化)・津波(海岸沿いの場合)
- 活用法:リスクを把握したうえで「建物の設計・構造で対策する」視点を持つ
- 不動産取引:不動産会社のハザードマップ説明義務を活用する
ハザードマップの確認は「怖いから見たくない」ではなく、「知ったうえで適切に備える」ための行為です。
土地を見に行く前に、まずハザードマップで確認する習慣をつけましょう。 それが、長く安心して住み続けられる土地選びの第一歩です。
ハザードマップで「色がついていても買う」という判断
ハザードマップに色がついている土地は「絶対に買ってはいけない」という意味ではありません。
リスクを承知のうえで対策を講じるという選択もあります。
浸水リスクがある土地への対策
- 盛り土・嵩上げで敷地を高くする
- 建物の1階部分に大切なものを置かない設計にする
- 水害対応の止水板を設置する
- 地下収納・地下室を設けない
浸水リスクが低頻度(50年に一度・100年に一度の規模)であれば、対策を講じたうえで暮らすことを選ぶ方も多くいます。
土砂災害警戒区域(イエローゾーン)の場合
イエローゾーンは建築制限があるわけではありませんが、ハザードマップ上のリスクを認識する必要があります。
避難経路の確認・ハザードアラートの活用など、「暮らし方でリスクを減らす」工夫ができます。
土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の場合
レッドゾーンは建築構造規制があり、場所によっては一般的な住宅が建てられない場合があります。 購入前に市区町村の建築指導課へ必ず確認しましょう。
被災した場合の備え:保険でカバーする
ハザードマップのリスクが高い土地に住む場合、保険で備えることも大切です。
水害対応の火災保険
一般的な火災保険は「水害特約」を付けることで洪水・浸水による損害を補償できます。
ただし、水害特約は浸水リスクが高い地域では保険料が高くなる傾向があります(2022年以降、地域別の保険料差別化が進んでいます)。
購入前に「この土地に家を建てた場合の保険料の目安」を保険会社に確認しておくことをおすすめします。
地震保険
火災保険とセットで加入できる地震保険は、地震・噴火・津波による損害を補償します。
液状化・土砂崩れによる損害も「地震が原因」であれば地震保険の対象になります(場合による)。
よくある質問Q&A
Q:ハザードマップに色がついている土地を不動産会社が紹介してきた。問題ない?
A:2020年から宅建業者にはハザードマップを用いた説明義務があります。色がついている土地を紹介すること自体は問題ありませんが、きちんと説明を受けることが重要です。「水害リスクがありますが、この価格はそれを織り込んでいますか?」と直接聞いてみましょう。
Q:引っ越し先のハザードマップを確認したら、以前住んでいた場所より危険だとわかった。どうすればいい?
A:リスクを知ったうえで「対策できる範囲のリスクか」を判断することが大切です。浸水リスクが高い場合でも、頻度(50年に一度か10年に一度か)・深さ(床下浸水か1m以上か)によって対応の重さが変わります。保険・建物の対策・避難経路確認を組み合わせて備えましょう。
Q:ハザードマップは最新版を確認すべき?古いままのこともある?
A:ハザードマップは定期的に更新されます(河川の改修・新しい地盤調査結果の反映など)。市区町村のウェブサイトで「最新年度」のマップを確認することが重要です。古いマップを見ていると、現在のリスクが正確に把握できない場合があります。
ハザードマップ確認の実践チェックリスト
気になる土地のハザードマップを確認する際の手順をまとめます。
STEP別チェックリスト
STEP1:国土交通省ハザードマップポータルサイトにアクセス
「ハザードマップポータルサイト」で検索してアクセス
「重ねるハザードマップ」を選択
気になる土地の住所を入力
STEP2:洪水リスクを確認
浸水の色が表示されているかを確認
浸水深の目安(0.5m未満/0.5〜3m/3〜5m/5m以上)を記録
近くに河川がある場合は「内水ハザードマップ」も確認
STEP3:土砂災害リスクを確認
土砂災害警戒区域(イエローゾーン)の確認
土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の確認
STEP4:地震・液状化リスクを確認
液状化危険度マップで色が表示されているか確認
地域の地震ハザードマップを市区町村サイトで確認
STEP5:市区町村の最新版ハザードマップを確認
市区町村の公式サイトから最新のハザードマップを入手
国土交通省ポータルとの差異がないかを確認
まとめ:ハザードマップは「怖いもの」ではなく「判断ツール」
ハザードマップは「怖い情報を突きつけるもの」ではなく、「適切な判断をするための情報ツール」です。
色がついている土地でも:
- 対策を講じれば安全に暮らせることがある
- リスクに見合った価格で購入できることがある
- 適切な保険で備えることができる
色がついていない土地でも:
- ハザードマップに表示されていないリスクがゼロではない
- 最新版を確認することが重要
- 気候変動により今後リスクが高まる可能性がある
「ハザードマップを確認した」という事実が、家族を守る意思決定の出発点になります。
土地を見に行く前に、まずハザードマップの確認を習慣にしてください。 それだけで、土地選びのリスクを大幅に減らすことができます。
ハザードマップ以外で土地のリスクを調べる方法
ハザードマップは重要な情報源ですが、それだけでは判断しきれない部分もあります。補完的な情報源も活用しましょう。
① 地理院地図(国土地理院)
過去の航空写真・地形図で「かつてその場所がどんな地形・土地利用だったか」を確認できます。
「昔は田んぼ・池・川だった」という情報が地盤のリスク推測に役立ちます。
② 地盤サポートマップ(ジャパンホームシールド)
地盤調査データをもとにしたリスクマップが無料で閲覧できます。 「軟弱地盤の可能性」「液状化リスク」を視覚的に確認できます。
③ 過去の気象情報・洪水記録
気象庁の「過去の気象データ」や地元のニュース・自治体ウェブサイトで、過去に浸水・洪水があったかどうかを調べることができます。
「10年前にこのエリアが浸水した」という情報は、現在のハザードマップに反映されていない場合もあります。
④ 地元の人・近隣住民への聞き込み
現地に行った際に「このあたり、大雨のときに浸水したことはありますか?」と近隣の方に聞いてみることも効果的です。 長年住んでいる方の体験談は、ハザードマップに載っていない情報を教えてくれることがあります。
津波リスクがある地域での確認ポイント
海岸沿い・河口付近の土地を検討している場合は、津波ハザードマップの確認も必須です。
津波ハザードマップの見方
- 浸水想定区域:最大クラスの津波が発生した場合に浸水が想定される区域
- 浸水深:想定される浸水の深さ(色分けで表示)
津波リスクへの対策
- 1階ではなく2階以上を生活スペースにする設計にする
- 避難場所・避難経路を事前に確認しておく
- 津波避難ビルの場所を把握しておく
なお、津波リスクがある地域だからといって必ずしも住んではいけないわけではありませんが、「自分たちが住んだ場合のリスクと避難計画」をしっかり考えることが重要です。

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