間取り図を自分で作る方法【無料アプリ・ツール・サービス比較】

「設計士に任せているだけでいいのかな?自分でも間取りを考えてみたい」

そう思い始めたあなたへ。

正解です。自分で間取りを作ることを、強くおすすめします。

なぜかというと、プロの設計士は「一般的に良い家」は知っていますが、「あなた家族の生活」は知らないからです。

「朝は誰が先に起きるか」「洗濯物をどこに干すか」「子どもは自分の部屋で宿題をするか、リビングでするか」——

これを一番知っているのはあなた自身です。

間取りを自分で作ることで、

  • 「こういう家に住みたい」の解像度が上がる
  • 設計士に具体的に要望を伝えられる
  • プロの提案の良い点・悪い点が判断できるようになる

実際に「3Dマイホームデザイナーを購入して2年以上・何十個もの間取りを自作した」ことで、理想の家に近づけた方がいます。

最初の間取りは絶対に失敗します。それでいい。 失敗→気づき→作り直しを繰り返すことが、理想の間取りへの唯一の近道です。

この記事では、間取り図の自作方法、使えるツールと比較、よくある初心者の失敗例を解説します。


なぜ「自分で間取り図を作る」のがこんなに大切なのか

ハウスメーカーから提案された間取りが「想定外」だったケース

家を建て始めたある方が、最初に工務店から提案された間取りはこんな内容でした。

  • ホール(玄関ホール)だけで5.5畳という謎の巨大スペース
  • LDKが32畳でマット運動ができるくらい広い(でも使いにくい)
  • せっかくのアイランドキッチンがリビングに背中を向いている
  • パントリーが0.5畳しかない
  • リビングが西と北向きで日当たりゼロ

「これは『世界一ヤバい間取り』だ」と思ったそうです。

この経験がきっかけで「プロに任せるだけじゃダメだ。自分で間取りを作れるようにならないと」と決意して、間取り作成ソフトを購入しました。

自分で間取りを作ると「伝える力」が生まれる

設計士に「広いリビングがほしい」と言うだけでは、どれくらいの広さかが伝わりません。

でも「18畳のLDKで、キッチンはフルフラットで、食卓の横に収納棚を置くスペースを確保したい」と言えば、具体的な提案が返ってきます。

自分で間取りを作ってみると、「○○畳」「○○cm」という数字の感覚が身につきます。 設計士との打ち合わせが、全然変わります。


間取り図作成ツールの比較

間取り図を作るツールは大きく「無料ウェブツール」「有料PCソフト」の2種類です。 それぞれの特徴を比較します。

無料ウェブツール:まず試してみるならここから

① madree(マドリー)

  • スマホ・PCどちらでも使える
  • テンプレートが豊富で、ゼロから始めなくていい
  • 操作がシンプルで、間取り初心者でも数分で使い始められる
  • 3D表示機能あり(限定的)
  • おすすめの人:「まずどんな感じか試したい」初心者

② Planner 5D

  • 海外製だが日本語対応
  • 3Dビューが充実していて、仕上がりのイメージが作りやすい
  • 家具の配置がリアルで、インテリアとの相性確認に向いている
  • おすすめの人:3D表示でリアルな空間イメージを確認したい人

③ RoomSketcher(ルームスケッチャー)

  • 日本語対応・操作が直感的
  • 平面図と3Dを切り替えて確認できる
  • おすすめの人:平面と立体を両方見ながら確認したい人

有料PCソフト:本格的にやりたいなら

3Dマイホームデザイナー(メガソフト社)

  • 日本の間取り文化に合わせた作りで最も使いやすい
  • 柱・壁・窓・ドア・家具を細かく設定できる
  • 3Dウォークスルー機能で、実際に家の中を歩くような体験ができる
  • 価格は数千円〜3万円前後(バージョンによる)
  • おすすめの人:本格的に自分で間取りを設計したい・時間をかけて作りたい人

「子どもの頃からマインクラフトで家を作るのが好きだった」という方は、このソフトが特に肌に合いやすいようです。空間を積み木のように組み立てる感覚が似ているからです。

とまと君「無料ツールで十分ですか?有料ソフト買うか迷ってます」 とま子ちゃん「まず無料ツールで間取りの感覚をつかんでから、もっと本格的にやりたくなったら有料ソフトに移行するのがおすすめです。最初から3Dマイホームデザイナーを買っても、操作に慣れる前に挫折しちゃう人が多いので。最初は『なんとなく作れる』状態になることが大事ですよ」


初心者がやりがちな間取り図の失敗例

「自分で間取りを作った」という方の多くが、最初は盛大な失敗をしています。

これを知っておくことで、同じ失敗を事前に避けられます。

失敗①「玄関ホールすぐに階段を置いた(テトリスハウス事件)」

前述の「2年間間取りを自作した方」が、最初に作った間取りが通称「テトリスハウス」と呼ばれています。

やらかしたこと:

玄関ホールからリビングに入ってすぐ目の前に、デザイン重視の鉄骨階段を配置してしまいました。

その結果、ダイニングやソファへ向かう動線を完全に塞ぎ、歩くたびに鉄骨に頭をぶつけそうになる危険な間取りが完成しました(笑)。

なぜ失敗したか: 「格好いい鉄骨階段を玄関ホールに」というデザインのイメージだけで配置して、実際に人がどう動くかをシミュレーションしていなかったからです。

対策: 間取り図を作ったら「玄関から各部屋まで、実際に歩いてみる」シミュレーションをしてください。障害物や遠回りが見えてきます。

失敗②「収納の幅を1.5マスにしたら使えない収納になった」

同じ「テトリスハウス」の別の失敗です。

寝室奥のクローゼットとガレージ奥の収納の幅を「1.5マス(1.5グリッド)」で設計しました。

結果は……人が通るのがやっとで、収納する物を置く場所がほぼゼロ。

「収納スペース」という名の「通路」が完成してしまいました。

なぜ失敗したか: 「広そうに見えた」ので配置したが、実際の寸法換算をしていなかったからです。

対策: 収納の奥行きは「押入れサイズ(約75〜90cm)」以上が必要です。 「服をかけてハンガーが収まる奥行き」「人が立って物を取り出せる通路幅」を、cm単位で考えながら設計してください。

失敗③「帰宅動線が遠すぎる間取りを作った」

最初の失敗から学んで改良を重ねたものの、また失敗しました。

玄関からリビングに入り、大きなダイニングテーブルを迂回しないとキッチンにたどり着けないという、日常の買い物帰りが毎回ストレスになる間取りを作ってしまいました。

「買い物袋を持ったまま、テーブルの周りをぐるっと回ってキッチンへ向かう」—— これが毎日続くと、かなり消耗します。

対策: 間取り図を作ったら「買い物袋を持って玄関から入り、冷蔵庫に食材を入れるまで」の動線をなぞってください。 最短ルートがキッチンに向かっているかを確認します。

失敗④「部屋の真ん中に階段を置いた(リビング階段の誤解)」

「リビング階段が格好いい!」という憧れから、LDKのほぼ中央に階段を配置してしまいました。

結果、リビングが二分割されて空間がうまく使えないだけでなく、階段の開口部から冷気・暖気が逃げる問題まで生まれました。

対策: リビング階段は「リビングの端に配置する」のが基本です。 中央に置くと空間を圧迫します。「どこに置くか」を設計士に必ず確認してください。

失敗⑤「ファミクロを通らないと寝室に行けない間取りを作った」

空間を無駄なく詰め込もうとした結果、ファミリークローゼットを通り抜けないと寝室に入れないという謎の動線が完成しました。

寝室のプライバシーがゼロで、実用性も低い「なぜこうなった?」という間取りです。

対策: 各部屋への動線は「その部屋のためだけのアクセス」が基本です。 他の部屋を経由しないと辿り着けない動線になっていないか、完成した間取り図で確認してください。

失敗⑥「L字玄関を作ったがコート掛けを忘れた」

「L字型玄関は奥行き感が出てカッコいい」と作ったところ、コートや荷物を掛ける・置く場所を完全に忘れました。

「見た目はおしゃれ。でも機能しない玄関」として没になりました。

対策: 間取りを作ったら「日常の使い方」を想像してください。 玄関なら「帰ってきてコートをどこに掛けるか」「荷物をどこに置くか」「傘はどこに収納するか」を確認してください。


間取り自作の「学習ステップ」

「最初から完璧な間取りは作れない」ことを前提として、こんな順番で進めてください。

Step 1:今住んでいる家の間取りを再現する

まずツールに慣れることが目的です。

今の家(アパート・マンション)の間取り図を見ながら、それを再現する練習をしてください。

「LDKが何畳か」「ドアはどちらに開くか」「窓はどこにあるか」—— これを再現するだけで、ツールの操作と「寸法の感覚」が身につきます。

Step 2:今の家の「ここが嫌だった」改善版を作る

今住んでいる家の不満点を解決した「改良版間取り」を作ってみてください。

「もっとリビングを広くしたら?」「収納をここに移したら?」—— 改善を考えることで、「自分が何を大切にしているか」が見えてきます。

Step 3:新居の間取りを0から作る

Step 1・2で感覚が身についたら、いよいよ新居の間取り作りです。

最初の1枚目は必ず失敗します。それでいいんです。

「なぜ使いにくいか」「どこが問題か」を自分で気づいて改善することが大切です。

とまと君「2年間・何十個も作るって……気が遠くなりますね(笑)」 とま子ちゃん「もちろん全員が2年かける必要はないですよ。ただ、設計士との打ち合わせが始まる前に5〜10枚くらい自分で作っておくと、打ち合わせの質が全然変わります。『こういう間取りを作ってみたんですけど、これだとどこが問題ですか?』って聞けるようになるんです」


間取り図の基本的な見方・記号の読み方

自分で間取り図を作る前に、「間取り図の読み方」を理解しておきましょう。

設計士が作る本格的な図面には専門的な記号が使われていますが、基本だけ押さえておけば大丈夫です。

間取り図でよく使われる用語

用語意味
LDKリビング(L)・ダイニング(D)・キッチン(K)が一続きの空間
帖(畳)1帖 = 約1.62m²(関東基準。関西は若干広い)
引き戸スライドして開ける扉(家具の配置に干渉しない)
開き戸ヒンジで開くドア(開閉時に扇形のスペースが必要)
納戸(N)収納専用スペース(窓なし・採光なしが多い)
UT(ユーティリティ)洗濯・物干し・作業スペースのこと
WICウォークインクローゼット(人が中に入って使う収納)
SICシューズインクローゼット(玄関脇の靴・荷物収納)
パントリーキッチン隣の食料・調理器具の収納室

間取り図を読むときに必ず確認すること

①方角 間取り図には北を示す「↑N」の記号があります。 南向きにLDKが配置されているかを確認してください。

②寸法 「○LDK」という表記だけでなく、「LDKが何畳か」「廊下幅は何cmか」を確認してください。 廊下幅の最低ラインは780mm(2人すれ違い可能は900mm以上)です。

③ドアの開く方向 ドア記号の「扇形」が開く方向です。 扇形の範囲に家具が来ないか、生活動線上に障害がないかを確認してください。


自作した間取りを設計士の打ち合わせで活用する

せっかく自分で作った間取りを、設計士との打ち合わせでうまく使う方法を説明します。

「叩き台」として使う

自分で作った間取りを「完成案」として持っていく必要はありません。

「こんなことを考えていましたが、プロ目線でどう思いますか?」という「叩き台」として使うことが重要です。

設計士は「このクライアントはこういう生活をしたい人だ」という理解が深まり、より具体的な提案ができるようになります。

「要望リスト」として機能する

間取り図を自作する過程で、「ここに収納が欲しい」「この動線は短くしたい」という具体的な要望が言語化されます。

これが設計士への「要望リスト」として機能します。

「なんとなく広いリビングがほしい」より「フルフラットキッチン+18畳のLDK+食器棚スペース確保」という伝え方ができるようになります。

「ダメな部分の説明」に使う

「こういう配置を考えたんですが、自分でもここが問題だと思っています。どう解決できますか?」

この質問ができると、設計士はピンポイントで解決策を提案してくれます。

自分でわかっている問題点を伝えることで、打ち合わせの質が格段に上がります。


まとめ:間取り図を自作することの「本当の価値」

間取り図を自作することの価値は、「完璧な間取りを作ること」ではありません。

「自分たちの生活に何が必要か」を言語化・可視化することが、本当の目的です。

自作を通じて身につくもの:

  • 「○○畳」「○○cm」の空間感覚
  • 設計士への具体的な要望を伝える力
  • 提案された間取りの良い点・悪い点を判断する力

失敗を恐れずに、まず1枚作ってみてください。

失敗した間取りこそが、理想の家へ近づくための地図になります。

間取り自作チェックリスト:

  • まず無料ツール(madree・Planner 5Dなど)でツールの感覚をつかんだ
  • 今の家の間取りを再現して、寸法感覚を身につけた
  • 今の家の「不満点」を解決した改良版を作った
  • 新居の間取りを5〜10枚試作した
  • 作った間取りを「叩き台」として設計士との打ち合わせに持参した
  • 「買い物帰りの動線」「朝の動線」「洗濯動線」をシミュレーションした
  • 収納の寸法(奥行き・幅)をcm単位で確認した
  • 各部屋への動線が「他の部屋を経由しない」形になっているか確認した

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